https://www.houyhnhnm.jp/tokyo_sequence/
HOUYHNHN(フイナム)にて不定期連載中の奥山由之とファッションブランドFACETASMのプロジェクト「TOKYO SEQUENCE」第2回に真舘が参加しています。
この企画は、移りゆく東京の景観のなかで、時代を代表するクリエイターたちを活写していくビジュアルプレ
ゼンテーションです。
SEQUENCE
=シークエンス
=連続性
止まることなく、断続的に変わりゆく街、東京。
古いも新しいも混在させて、生き物のごとく畝りながら進んでいく。
東京は、文化のレイヤーが複雑に重なり合い、それでもって絶妙なバランス感覚で一つの形を成している。
古い建物のすぐ隣には、真新しいビルが立ち並んでいたりするけれど、その隙間には、歪な細道があったり、突如として現れる空き地には、哀愁感と共に、東京が沸々と秘めたるパワーを感じる。
特に工事現場がある種のシンボルと言えるほどに頻出していて、その中途半端な ( 仮 ) の空間は、やや情けなくて可愛げがあったりする。
恥ずかしいほどに途中の連続を認めながら、 それは同時に、 変化を惜しまないパワフルさの象徴でもある、と胸を張りたい。
静止する点ではなくて、AからBへの移行の過程を。
一つの可愛げとして、これからも飲み込んでいくのだろう。
そんな東京の街を思うと、同時にFACETASMの洋服が目に浮かぶ。
シーズンごとに、僕らに見せてくれる光の断面は異なり、
素材や色合い、形状、まさに東京らしいレイヤーの奥行きと混在を感じさせる。
クラシカルで、グラフィカルで、感情的で衝動的で躍動的で、けれど繊細で丁寧。相反する”美しさ”と”戯けさ”の同居。あの自由な空気を内包した洋服たちは、まさにいま、東京を象徴しているように思える。
あくまで遊び心を忘れずに、ファッションと向き合い続けるFACETASMの姿勢は、日常で目にするもの、聞く音、感じること、それら全てを混ぜ合わせて一つの質感を成し、東京の景色とリンクしてくる。
東京の街と、FACETASMの洋服と、今を生きる東京の人々。
複雑に重なり合うレイヤーと、絶え間なく変化する連続性の集合に、僕らはいま、何を見るのか。
- Photo / Movie Yoshiyuki Okuyama
- Styling FACETASM
- Hair AYA (hitome)
- Make-up KOTOMi (hitome) / tomo imai
- Editor Mai Okuhara
- Special Thanks Arisa Ogura, Takako Hiruta (band)
- Web Director Hiroaki Takatori (Rhino inc.)
- Engineer Konomi Kawamoto (Rhino inc.)